この記事では、性器のできものが性病と関係している可能性や、いぼ、水ぶくれ、しこり、ただれなどの症状から考えられる代表的な性感染症について、公的情報をもとに整理します。
結論からいうと、性器のできものは尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、梅毒などでみられることがありますが、見た目だけで原因を特定することはできません。
症状がある場合は医療機関で確認することが重要です。
そこで、できものの特徴だけで自己診断するのではなく、受診すべき症状や検査の使い分けまで解説します。
感染機会に心当たりがある場合は、症状の診察とあわせて必要な性感染症検査も検討しましょう。
性器のできものは性病の可能性がある
性器やその周辺のできものは、性感染症でみられる症状の一つです。
厚生労働省の性感染症情報でも、性器のしこり、ただれ、水疱、いぼなどが複数の性感染症でみられることが示されています。
ただし、「できものがある=性病」とは限りません。
見た目が似た皮膚トラブルもあるため、症状だけで病名を決めつけないことが大切です。
見た目だけで性病かどうかを判断するのは難しい
性感染症によるできものは、病気によって見た目や痛みの有無が異なります。
例えば尖圭コンジローマでは性器や肛門周辺にいぼがみられ、性器ヘルペスでは痛みやかゆみを伴う水疱や潰瘍がみられることがあります。
梅毒では、性器などに痛みの少ないしこりやただれが生じる場合があります。
| 症状の例 | 考えられる性感染症の例 |
|---|---|
| いぼ状のできもの | 尖圭コンジローマ |
| 痛みのある水ぶくれ・潰瘍 | 性器ヘルペス |
| 痛みの少ないしこり・ただれ | 梅毒 |
ただし、この特徴はあくまで受診を考えるための目安です。
似た症状でも原因が異なる場合があるため、外見だけで性病を判断しないようにしましょう。
厚生労働省のHIV検査・相談マップの性感染症情報でも、気になる症状がある場合には病院を受診するよう案内されています。
性病以外でも性器にできものができることがある
性器周辺のできものには、性感染症以外の皮膚炎や毛穴の炎症などが関係する場合もあります。
そのため、「性行為の後だから性病」「痛くないから性病ではない」といった自己判断は避けたほうが安全です。
性感染症には症状が軽いものや、感染していても無症状のものがあります。
特に最近の性的接触に心当たりがある場合は、できものの診察だけでなく、症状のない性感染症を含めて検査が必要か医師へ相談することが重要です。
性感染症の基本情報は厚生労働省の性感染症ページでも確認できます。
性器のできものから考えられる代表的な3つの性病
性器のできものと関係する代表的な性感染症として、尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、梅毒があります。
それぞれ症状の出方や検査方法が異なるため、特徴を知っておくと受診時の状況説明にも役立ちます。
以下の3項目を順番に確認します。
性病①:尖圭コンジローマは性器や肛門の周りにいぼができる
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって起こる性感染症です。
厚生労働省によると、男性では亀頭や陰のう、肛門周囲など、女性では外陰部、膣、肛門周囲などに白色、薄ピンク色、褐色などのいぼができることがあります。
いぼが増えたり、集まって大きくなったりする場合もあります。
| 確認項目 | 尖圭コンジローマの特徴 |
|---|---|
| 主な見た目 | いぼ状のできもの |
| 出やすい場所 | 性器・肛門周辺 |
| 痛みやかゆみ | 自覚症状がほとんどない場合もある |
| 主な診断方法 | 医師による視診など |
痛くないいぼだから問題ないとは判断できません。
いぼ状のできものが増えている、形が変化しているといった場合には、自己処置せず医療機関で確認しましょう。
詳しい症状や診断方法は厚生労働省の尖圭コンジローマ情報で確認できます。
性病②:性器ヘルペスは痛みを伴う水ぶくれや潰瘍が特徴
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスによる感染症で、主に性的接触を介して感染します。
性器や肛門周辺などに、痛みやかゆみを伴う小さな水疱や潰瘍ができることがあります。
初めて感染した際には、発熱、足の付け根のリンパ節の腫れ、排尿時の痛みなどが起こる場合もあります。
| 確認項目 | 性器ヘルペスの特徴 |
|---|---|
| 主な見た目 | 水疱・潰瘍 |
| 症状 | 痛み・かゆみを伴う場合がある |
| その他の症状 | 発熱・リンパ節の腫れ・排尿時痛など |
| 検査 | 病変部から検体を採取する方法など |
特に、水ぶくれやただれに強い痛みを伴う場合は早めの受診を検討してください。
また、性器ヘルペスは症状が落ち着いた後でも再発することがあります。
詳しくは厚生労働省の性器ヘルペス情報で確認できます。
性病③:梅毒では痛みの少ないしこりやただれが出ることがある
梅毒は梅毒トレポネーマという病原体による感染症です。
厚生労働省によると、感染初期には性器や口などにしこりや痛みの少ないただれがみられる場合があります。
その後、手のひら、足の裏などを含め全身に発疹が現れることもあります。
| 確認項目 | 梅毒の特徴 |
|---|---|
| 初期にみられる症状 | しこり・ただれ |
| 痛み | 少ない場合がある |
| 進行時 | 全身に発疹が出ることがある |
| 主な検査 | 診察・血液検査など |
注意したいのは、梅毒では症状が一度消えても治ったとは限らないことです。
厚生労働省は、2022年以降、国内の梅毒報告数が年間1万例を超える状況が続いていると案内しています。
心当たりがある場合は、症状が軽くなっても検査や診察を受けることが重要です。
詳しくは厚生労働省の梅毒情報で確認できます。
性器のできものがあるときに早めに受診したい3つのケース
性器のできものがあっても、症状の程度は人によって異なります。
ただし、強い痛みがある場合や症状が広がっている場合などは、自宅で様子を見るだけではなく医療機関で確認したほうがよいケースがあります。
特に次の3点に該当する場合は、早めの相談を考えましょう。
注意点①:水ぶくれや強い痛みがある
性器に水ぶくれや潰瘍があり、強い痛みや排尿時の痛み、発熱などもみられる場合は性器ヘルペスなどが考えられます。
ヘルペスでは病変部から検体を採取して検査することがあるため、症状が実際に出ている段階で診察を受けることには意味があります。
症状があるのに郵送検査だけで済ませようとせず、まず医療機関で患部を診てもらうことが大切です。
特に痛みが強い場合や排尿がつらい場合は、受診を先延ばしにしないようにしましょう。
注意点②:できものやただれが増えたり治らなかったりする
いぼの数が増える、ただれが続く、治ったと思った症状が繰り返すといった変化がある場合にも医師へ相談しましょう。
尖圭コンジローマではいぼが増えたり集まったりする場合があり、性器ヘルペスでは症状を繰り返すことがあります。
「痛くないから放置してよい」とは限りません。
痛みの有無より、症状が続いていること自体を受診の判断材料にすることが重要です。
注意点③:妊娠中または妊娠の可能性がある
妊娠中または妊娠の可能性があり、性器のできものや性感染症への心当たりがある場合は、自己判断せず医療機関へ相談してください。
特に梅毒は、妊娠中に感染していると胎盤を通じて胎児へ感染し、死産や早産などにつながる場合があります。
一方、厚生労働省は早期の治療によって胎児への感染リスクを下げられるとしています。
妊娠中は症状の軽さだけで判断せず、早期確認を優先しましょう。
市販薬などを自己判断で使用する前にも、医師や薬剤師へ相談してください。
病院と性病検査を使い分ける3つのポイント
「病院へ行くべきか、それとも自宅の性病検査でよいのか」と迷う人もいるでしょう。
重要なのは、現在できものなどの症状があるか、症状はないものの感染機会に心当たりがあるかによって使い分けることです。
判断するときは次の3点を確認してください。
方法①:できものが出ているなら医療機関で診察を受ける
現在、性器にいぼ、水ぶくれ、しこり、ただれなどがある場合は、まず医療機関で患部を診てもらう方法が適しています。
尖圭コンジローマは主に視診で診断され、性器ヘルペスでは病変部から検体を採取する検査が行われることがあります。
梅毒も診察と血液検査などを組み合わせて判断されます。
郵送検査だけでは、目の前のできものが何であるかを診断することはできません。
婦人科、泌尿器科、皮膚科、性感染症を診療する医療機関などから、自分の症状に対応できる受診先を選びましょう。
方法②:症状がなく感染が心配なら性病検査を検討する
できものなどの症状はないものの、コンドームを使用しなかった性行為など、性感染症への感染機会に心当たりがある場合は検査を検討できます。
性感染症には症状が出ないケースもあるため、「何も症状がないから感染していない」とは言い切れません。
厚生労働省も、性感染症では感染していても無症状の場合があるとしています。
医療機関や地域の検査・相談窓口のほか、自宅で検体を採取して送る郵送検査という選択肢もあります。
ふじメディカルでは、梅毒、HIV、クラミジア、淋菌などを含む郵送検査キットが案内されています。
ただし、できもの自体を診断するサービスではないため、症状がある場合は医療機関を優先してください。
検査できる感染症や検体の採取方法、検査に適した時期は項目によって異なるため、申し込む前に最新の検査内容を確認しておきましょう。
\自宅で受けられる性感染症検査を確認/
症状がある場合は医療機関の受診を優先してください
方法③:検査が陰性でも症状が続くなら医師に相談する
性感染症検査で陰性だったとしても、性器のできものや痛みなどが続いている場合は、それだけで「問題なし」と判断しないことが大切です。
検査項目に含まれていない疾患である可能性や、性感染症以外の皮膚疾患などが原因である可能性があります。
また、感染から検査までの期間などによって、検査結果の解釈に注意が必要な場合もあります。
検査結果と現在の症状は分けて考え、症状が残る場合は診察を受けましょう。
いつ頃から症状があるか、最後に性的接触があった時期、症状が変化しているかなどを伝えると診察時の参考になります。
性器のできものがあるときに注意したい3つのこと
性器のできものが性感染症によるものだった場合、症状を悪化させないことだけでなく、パートナーへ感染を広げない配慮も重要です。
診断がつくまでは無理に自己処置せず、安全側に考えて行動しましょう。
特に次の3点を意識してください。
ポイント①:診断がつくまで性行為を控える
性器ヘルペスや尖圭コンジローマなどは性的接触を介して感染する可能性があります。
特に性器ヘルペスについて、厚生労働省は潰瘍や水疱などの症状がある場合には感染性が高まるため、性行為を控えることが重要としています。
原因が分からないできものがある間は、パートナーへの感染を避けるため性的接触を控えるのが安全です。
コンドームは性感染症予防に重要ですが、病変の位置によっては完全に覆えない部分もあります。
ポイント②:できものを自分で潰したり薬を塗ったりしない
性器のできものをニキビのように潰したり、市販薬を自己判断で塗ったりするのは避けましょう。
見た目だけでは、感染症なのか皮膚トラブルなのか判断できません。
不適切な処置によって患部を刺激したり、診察時に本来の状態が分かりにくくなったりする可能性があります。
できものを触りすぎず、そのままの状態で医療機関へ相談することが基本です。
症状が出た時期や変化をメモしておくと、医師へ説明しやすくなります。
ポイント③:性感染症が確認されたらパートナーも相談する
性感染症が確認された場合は、自分だけで対応を終わらせず、パートナーの検査や受診が必要か医師へ確認しましょう。
厚生労働省は尖圭コンジローマや性器ヘルペスについて、本人が診断された場合にはセックスパートナーも医療機関を受診することが重要と案内しています。
片方だけが治療しても、パートナー側の感染が確認されていなければ再感染などにつながる可能性があります。
いつからどの程度の期間についてパートナーへ伝える必要があるかは感染症によって異なるため、医師の指示を確認してください。
性器のできものと性病でよくある質問
性器にできものを見つけたときに迷いやすい、痛みの有無、自然治癒、検査、受診先などについて整理します。
性器にできものがあれば必ず性病ですか?
必ず性病とは限りません。性感染症以外の皮膚トラブルなどでもできものが生じる場合があります。一方、尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、梅毒などでも性器のできものがみられるため、見た目だけで判断せず症状が続く場合は受診しましょう。
痛くないできものなら性病ではありませんか?
痛みがないから性病ではないとは判断できません。尖圭コンジローマでは自覚症状がほとんどない場合があり、梅毒でも初期に痛みの少ないしこりやただれが現れることがあります。
性器に水ぶくれがある場合は何が考えられますか?
性器ヘルペスなどで水疱がみられることがあります。痛みやかゆみ、潰瘍、発熱、排尿時痛などを伴う場合もあります。ただし見た目だけでは診断できないため、医療機関へ相談してください。
性器のできものは自然に治るまで待ってもよいですか?
原因が分からないまま長期間様子を見ることはおすすめできません。梅毒のように症状が一度消えても感染が続いている場合があるためです。症状が続く、増える、繰り返す場合は特に受診を検討してください。
自宅の性病検査だけでも大丈夫ですか?
症状がなく感染の有無を確認したい場合には選択肢になりますが、現在できものがある場合は医療機関で診察を受けることを優先してください。尖圭コンジローマでは視診、性器ヘルペスでは病変部からの検体採取など、実際の患部を確認する診断方法があります。
性器のできものは何科を受診すればよいですか?
婦人科、泌尿器科、皮膚科、性感染症を扱う医療機関などが候補です。医療機関によって対応する症状や検査項目が異なるため、予約前に性器のできものを診療しているか確認するとスムーズです。
性器のできものが気になるときは自己判断せず確認しよう
性器のできものは、尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、梅毒などの性感染症でみられることがあります。
ただし、症状の見た目だけで原因を特定することはできず、性病以外の可能性もあります。
現在、いぼ、水ぶくれ、しこり、ただれ、痛みなどの症状がある場合は、郵送検査だけで判断せず医療機関で患部を診てもらいましょう。
症状がなくても感染機会に心当たりがある場合は、必要に応じて性感染症検査を検討できます。
自宅検査を利用する場合も、検査対象となる性感染症や検体の採取方法などはサービスによって異なります。
最新の検査項目や利用条件を公式案内で確認したうえで、自分の状況に適した方法を選びましょう。
\自宅で受けられる性感染症検査を確認/
できものなど症状がある場合は医療機関へ相談しましょう